~・金のさかな・~

6/17
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
日頃から積み重なることしかない不満が溜まっている俺は、金魚の言葉にカッとなり持っていた箒を足下に投げた。 「一番下の弟が囚われてる。この国では、庶民の自由を奪う為に、家族を一人連れて行く……前は祖母が自ら行ってくれていたが亡くなった途端、兵達が遺体を置いて弟を無理矢理連れて行ったんだ!」 「人質をとり縛り付けるのか……えらくまた、古いやり方だな。ここの女王ってかなりの年齢だろ?息子がいるって聞いたけどなあ」 「ふん!いらっしゃると言えば、いらっしゃる。ただ、病がちで体が弱いんだとよ。だから女王は健康的で元気な次の子どもを作ろうと焦っているらしいわ」   目を丸くし、金魚は驚いているようだ。 「だけど女王の性力に勝てる雄がいないらしい……早い話が先に果てては、みんな女王に食われてるって話だよ」 『ふえぇ~こえ~っ』と金魚は顔を歪め身震いする。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!