6. 三途の川

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「あちきにも見せておくんなまし」  花里太夫に言われて、高津屋は人魚の桶を太夫の方に回してやる。 「あれまあ、可愛い人魚でありんすなあ」  花里太夫はうっとりと人魚を眺め、「旦那様、もう少しこのままで」と甘えたように言う。 「よいよい。では現世に戻るときに川に返してやりましょう」  高津屋は太夫の好きにさせた。 「こんなに面白い釣りは初めてだ。新さん、私は大満足だよ。約束通り、礼ははずむよ」  そのあとも次々珍しい魚を釣り上げ、かなりの釣果(ちょうか)に満足した様子の高津屋は、そう言って新伍を(ねぎら)った。
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