121人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
その時〝恋〟と、運命共同体
--------------ガシャン‼︎
その音が聞こえた時には。
もうすでに、
私とお母さんの乗ったバスは、陰下で。
目を覚ましたとき、
私、楠木天織(くすのきあまり)は。
──────(終わった、)と、感じた。
お母さんは、ゆすっても起きなくて。
付近の人たちが何人が起きて、
割れた窓から逃げ出そうとしてるところ。
私も混じって逃げ出そうとしたとき。
そこに──────大きなクマがいた。
私より年上の、大人達が逃げ惑うほどの恐怖。
「キャーっ‼︎」
「にっ、逃げなきゃっ‼︎」
「逃げろー!」
「やべーぞ!!」
そんな声があちこちから聞こえて。
統一性もなく、逃げていく無事だった乗客たち。
(っ、私も逃げなきゃっ!!)
そう思うのに、
ガクガク震えて動かない私の足。
最初のコメントを投稿しよう!