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うっかりを笑いにするパンドラの箱は、それから実に三十年の歳月を経て、開けられることになった。純粋にうっかりを笑ってくれるひとに出会えて、本当によかったと思っている。
寝転んで、閉じた瞼に腕を強く押し付けてみる。トンネルのなかをぐんぐん進む。光はだいぶ大きくなったようだが、光の外に出ることは、やはりできない。
最近では、あの光は天国の入り口なのではないかと思うようになった。飛び出してみたいような、ちょっと怖いような、そんな気がしている。
〈おしまい〉
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