【真鍮とアイオライト 番外編】幽霊相手にマウントとる世界遺産級イケメンの話

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 後日談。  菫に想いが通じた後。  菫とその路地を歩いた。深夜に近い時間帯で、人通りがないからと恋人繋ぎで手を繋いでリマ男(菫命名)の前を通ったら、それまで一度も表情を変えたことがなかったのに、何故かリマ男は驚愕の表情を浮かべて、すー。と、消えていった。もちろん、リマ男がいることは分かっていて見せびらかすように手を繋いでいたことも、鈴がドヤ顔していたことも言うまでもない。  けれど、菫が言うには、翌日にはもう、当たり前の顔で電柱下でぶつぶつ呟いていたそうだ。  ただ。呟きの中にそれまでに聞いたことがなかった『ぬけがけずるい』という言葉が含まれていたとか、いないとか。  また、成仏までの時間が延びそうだと、少し心配になりつつも、内心『勝った』と、ほくそ笑む鈴なのであった。
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