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「きぃちゃんに仕掛けられそうだったから裏に回ったんだ」
「……俺が誰に何を仕掛けるって?」
ユキちゃんも座ったから今度は私とクニチカが立たされているみたいだ。
「バイクでさゆみんを連れてって、俺を走らせる」
「「「「………」」」」
クニチカの真面目な声にじいちゃんも含めた4人が一瞬静寂を生み出したあと
「「「「ぶわっ…ぁっ…ハハハハッ…」」」」
お腹を抱え、机を叩き、大爆笑した。
「きぃちゃんのせいで停学」
「ぶっ…紗友美、そうだな、そうそう…」
じいちゃんは目に涙を浮かべて笑いながら頷く。
「強くなりたいって言っただろ?」
「言ったけど、いつもいつもきぃちゃんのバイクを追い掛けて走らない」
このきぃちゃんにハッキリと自分の意思を言えるクニチカはすごいと思う。やっぱり強いんだ。
「クニチカの読みが当たってたところがまずスゴイよね」
「サンキュ、さゆみん」
「あとは全部きぃちゃんのせいだから大丈夫だよ」
「だな」
「おいおい、マジでお前ら二人大物だわ」
そう言ったしもっちゃんはポケットから1万円札を出すと
「二人で買い出しして来い。これで6人の腹が満たされる鍋の準備をしろ」
とクニチカにそれを渡す。
「めんど…」
「さゆみん、デザートまで買えるよ。頑張って行こ」
「ん」
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