刃流祭

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和太鼓は2曲演奏するだけでも、相当体力を使う。 それに唱はかなりハード。 「それは無理かな」 突然聞こえてきたのは、貴島玲(きじま れい)の声。 「煌大、1度やると決めたなら覆すな」 貴島玲(きじま れい)の隣には貴島煌弥(きじま こうや)が居る。 奥歯をギリッと噛み締めた煌大。 「俺達が居るから大丈夫だ」 貴島玲(きじま れい)貴島煌弥(きじま こうや)の後ろから出て来たのは、煌大の父親である貴島煌牙(きじま こうが)。 他には、貴島忍星(きじま しゅうせい)中村健太(なかむら けんた)に、貴島大牙(きじま たいが)貴島世那(きじま せな)貴島岳(きじま がく)の姿がある。 「煌大」 名前を呼ばれ、煌大は貴島忍(きじま しのぶ)の墓の傍で、貴島煌弥(きじま こうや)と誓った事を思い出した。 「刃流祭で3曲叩いてやる。てめぇ等気合いを入れろや!」 腹の底から出した煌大の言葉が、コンサートホールに響く。 もう迷いはない。 刃流祭を成功させるだけだと全員が思った。
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