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わたしと黒髪の妹は頭を抱えうーん、うーんと唸っている。そんなわたし達の周りをにゃんこがぐるぐる歩き回る。
やっぱり、わたしと黒髪の妹は姉妹だなと思う。だって、気がつくとわたし達は同じポーズをしていたのだから。
二人して頭を抱えているんだからなんだか可笑しくなる。
「あ、夢葉ちゃんってば笑った~」
「妹ちゃんも笑っているよ」
「え!」
黒髪の妹は緩んだ頬に手を当て「あっ!!」と言ってちょっと照れたようにえへへと笑った。
その顔はめちゃくちゃ可愛らしかった。あのパープル村の幼女な神様パープルに爪の垢を煎じて飲ませたいよと思った。
≪夢葉ちゃん、わたしのご飯を作って≫と腰に手を当てて偉そうな態度の幼女な神様パープルが思い浮かびなんだか可笑しくってぷぷうっと笑ってしまった。
『夢葉ちゃんどうしたの?』
黒髪の妹が不思議そうにわたしの顔を覗き込んだ。
「ううん、なんでもないよ」
わたしは、そう返事をして黒髪の妹の顔を見た。すると、その時、「あ!?」とわたしは声を上げた。
目の前にいる黒髪の妹と幼女な神様パープルの顔が重なって見えた。
「紫ちゃん」とわたしは言った。
「夢葉お姉ちゃん、わたしの名前を思い出してくれたの」
「うん、わたしの妹の紫ちゃんだね」
そう、黒髪の妹の名前は紫だった。
紫はそれはもう嬉しそうに目をうるうるさせ微笑みを浮かべていた。
「紫ちゃん、やっと名前を思い出したよ」
わたしは、紫の顔見て微笑みを浮かべた。
「夢葉ちゃん、ちょっと夢葉ちゃ~ん!」
その時、大きな声が聞こえてきた。
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