第22話・鈍感同期と秘密同居は我慢のはじまり

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  「大きな私物の移動は大変だから、ある程度の荷物移動にとどめるけどな。その代わり明け渡す以上は舞衣子のスペースへは勝手に入ったりしない。それでいいか?」 「あ、助かります」  とりあえずちゃんとしておいてやらないと、出て行かれても困るしな。  一緒に暮らしていたら、いろいろチャンスはあるはずだ!  どんどん仕掛けていこう。舞衣子に俺を好きになってもらうんだ!  どんなルールにするのかと聞かれたので、適当に思いつくことをルール化した。 「ルールはシンプル。まず、お互い必要以上に干渉するのはやめよう。どちらかに好きな人ができたら同居は即解消で、ここで知った秘密は厳守・同居のことは誰にも言わない。これでどうだ?」 「いいと思います」 「普段通りでいいよ。舞衣子の弱み握っていることには変わりないけど」 「よわっ…! ちょっと! 意地悪すぎない?」 「俺の汚された操と、傷ついた心はもう元には戻らないんだけど」  せっかく告白したのに覚えていないのもシャクだし。 「ご、ごめんってば!! 謝ってるじゃない!」 「謝る人間の態度か、それ」 「うっ…それは……」 「俺の気が済むまで奉仕してもらうからな」 「は…はい……」  こうして舞衣子との同居生活が始まることになった。  秘密の同居とか言ったものだから俺の中で興奮が収まらない。早いとこなんとかしないと、理性との攻防戦が大変だと思った。
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