終わらない夏休み

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「寒っ…」  私はエアコンの風の冷たさに耐えきれず、飛び起きた。  勢いよく起きたせいか、軽く目眩。 「……嘘!エアコンの設定、18度になってる」  危ない、危ない。  いくら夏といえど、このままでは風邪を引いてしまう。  午前2時。  私は27度に設定温度をあげ、再び布団へ潜る。  身体の表面が冷たくなっている。  ……このままでは良くない。  温かいシャワーでも浴びてから眠りたかったが、身体が重く動けない。  やばい、既に風邪をひいてしまったのだろうか。  今高校2年生の私は、毎年のように夏休み終了間際になると体調を崩していた。  そして大体3〜4日、人より夏休みが長くなる。  小学生の間は宿題を夏休み終了間際まで残しており、体調を崩しながらの宿題は出来ず大変だった。 「1週間寝込んでいたので宿題が出来ませんでした」と先生に言い訳しても、 「夏休みは40日あるのだよ?」と返された。  おかげで宿題は早めに終わらせる習慣がついた。  それでもやはり、夏休みの終わりが近づくと熱を出したりお腹を壊したり、嘔吐したりする。  友達には「体調を崩してまで夏休みを延ばしたいの?」と笑われる。  そんな訳がない。  ママには「悩み事でもあるの?」と登校拒否を疑われるが、身に覚えは無い。
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