【第一話】

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「そう……母さん、あなたが本気でそんな事を言ってくるとは思ってなかったわ。本気で頭が悪くないと出てこない発言よ。それ」 「母さん、止めないでくれ。もはや僕には、この選択肢しかないんだ。よろしくお願いしますバブゥ」 「いや気持ち悪っ。私のお腹に帰るくらいなら死んだ方がマシレベルよ今のあなた」  母さんは、呆れたようにため息をついた。    おかしな事を言っているのはわかる。けれどもう限界なんだ。     もはや自分の人生に、期待できない。  このまま勉強したって、全てが無駄になる気がする。  だったらいっその事、母のお腹でやり直したい。  そんな僕の本気の思いに気づいたのか、母は本気で嫌そうな顔をしながら、僕の肩に手を置いた。  そしてそのまま、自身のお腹に指をやり、「もういるの」と、何やらよくわからない事を告げた。 「……? え、ご懐妊?」 「違うわ。……()()()()、翼が帰ってきたわ。()()()()()()()()()」  そう言うと、母のお腹から【は〜い】【何だ翼。帰ってきてたのか】と、聞き馴染みしか無い声が返ってきた。  父さんと、それに妹のユキの声だった。  驚愕のあまり、声も出せずに震える僕へ、母さんは頭を抱えながら言った。 「さて、家族全員揃ったところで……始めましょうか。家族会議を」
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