異世界の技術に頼ってみよう

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 その後、ディスプレイのことは技術者に任せ、仕事の時間や付き合いで何かをする時以外はデータ召喚方法に焦点を当てて魔法の開発に勤しんだ。その間に、試しに「長いこと使っていなかったパカパカする携帯」を取り出して、魔力を電力に変換して流してみた。すると、見事にディスプレイが光り、懐かしの待ち受け画面が出て来た。そして、どうせ捨て損ねたものだからと、携帯の裏側に直接「召喚用の魔方陣と独自に開発した呪文」を刻んだ。しかし、流石はパカパカする携帯。様々なサイトから弾かれる。だが、呪文の方向性は間違っていないことが分かった。  こちらが試行錯誤をしている内に、ディスプレイの開発も進んでいた様だ。解析レベルから進捗報告はあり、試作品を渡されて改善点を聞かれるに至った。まさか、ここまで異世界でディスプレイの再現が出来るのかと、驚くレベルで技術が再現されていた。  とは言え、流石は元にしたディスプレイが古めのゲーム機だったので、画質はそれ程良くはない。それでも、文字を表示するには十分で、既に技術者同時の意思疎通にも使われているそうだ。まさかの開発速度と適応力。一先ず、試作品を預からせて貰い、簡易的な魔方陣を刻んだ金属板をぴったりとくっつけた。これにより、異世界ディスプレイに「この為に構築した魔法」が適用される。  試しに、何か検索しようと、検索エンジンの情報を召喚してみる。シンプルな検索窓に、見慣れた様で日にちによって変わることもあるイラスト。画素数のことを考えなければ、十分なディスプレイが出来ていた。
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