サイアクな俺の人生

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サイアクな俺の人生

サイアクだ。俺の両親がとんだ。朝起きたらもぬけの殻だ。この部屋には元から何もない。けど、ここまで物がないのは初めてだ。 はあああーっと大きなため息をついた。さっき財布を見たらそちらもすっからかん。 あーあ、捨てられちまったよ。 「っはは。」 乾いた笑い声が聞こえた。ああ、俺の声か。腹減ったなあ、のども渇いた。コンビニでもいくか。そう思って玄関まで行ってやめた。 「金。」 またどさっと寝転がった。埃っぽくて、思わずむせてしまう。むせる、という行為に生を感じた。あーあ、生きてんのかよ、俺。いっそのこと殺してくれりゃよかったのに。もういない最低な両親に中指を立てる。 いつのまにか眠ってしまっていた。 起きたら、よくわからん奴らに囲まれていた。しかし、これだけはわかる。 こいつら、ヤのつく商売してる人たちだ。 「おい、お前大丈夫か?」 なんだよ、どうせ海に沈めるなら起こさなくたっていいだろ。それよか寝させてくれよ。 「若、どうします?」 「そうだな…。」 気が付いたら俺は空中にいた。ふわっといい香りが鼻孔をくすぐる。 「は⁉」 「生きてるみたいだな、行くぞ」 「どこにだよ?」 「そんなのお前に関係ない」 「わ、若、どうするつもりで?」 「さあな。でもここで死なれても迷惑だしな」 悪かったな。迷惑で。 「わ、若!」 「お前に関係ない」 「失礼しました」 逆らってはいけない、と本能が叫ぶ。 家の前には黒塗りのいかにもといった感じの車が停車していた。 子分らしき人が頭を下げながらドアを開ける。 さ、乗りな。その人から降ろされて、車に乗り込む、というより乗せられた。 怖くて、顔は見られなかったけれど、金髪だということだけはわかった。 いつのまにか、俺はまた眠ってしまっていた。
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