普通の僕

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普通の僕

普通。ノーマル。そんな基準、いったい誰が決めたんだろう。 僕はいわゆる「普通」に分類される人種だ。 平凡な家庭に生まれ、平凡に育ち、まあそこそこに平凡な生活を送っていると思う。まあ、陰キャだが。それは自覚している。ぼさぼさの黒髪。クラスにも、学年にも一人も友達はいない。いつも一人でいる。それが心地いい。一人は気楽でいい。遊びに行く友達もいないのかって?そうだな、その質問に対する答えはイエスとなるだろう。だが、僕はそもそも外に遊びに行こうという気がおきないのだ。むしろ、休日にわざわざ体力を消耗する意味が分からない。そんなことしてなんになる。 生まれてから一度も友達ができたことのない僕は、休日は一人漫画を読みふけって終わる。こういうときだけ、この時代に生まれておいてよかったと思う。スマートフォンで漫画が読めるのだから、これほどうれしいことがあろうか。無駄な体力を消耗せずに済むうえに、ポイントまでつくのだ。なんと素晴らしいことだろう。
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