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「バドミントン」
マイナーな競技ではないけれど、こういう話になるとなかなか出てこないスポーツ。同じようにラケットを使うテニスはすぐに出てくるというのにこの違いは何なんだろう。
「へぇ。バトミントン」
「バト、じゃないわ。バドミントン。あなたと違ってインターハイなんて夢のまた夢の弱小部だったけれどね」
それなりに練習はしていたけれど、成績もそれなりだった。ペアを組んでたエリカも部活よりはオシャレやメイクに興味があるタイプだったし、私もエリカのことは言えなくて部活と遊びを天秤に掛けたら遊びの方が勝っていた。
「弱小ったって、やらない俺らからしたらスゴイと思うよ。テレビとかで試合観てもさ、あのスピード感はビビるもん」
「まあ、ふんわり打ち上げる遊びでないことだけは確かね」
「スポーツだしね」
浅井は満足そうに頷いて、自分の紙コップを持ち上げた。ゆっくりと上下した喉仏につい視線を奪われる。浅井と私はもしかしたらオフィスビルの通路やエレベーターですれ違ったことはあるかもしれない。けれどきちんと意識して話したのはあの交流会が初めてだった。
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