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「そうか。では何かあればまた後日か七海君に聞くか、メールでも送っておいてくれ」 「はい。分かりました」 「では後は頼んだぞ」 知真はアタッシュケースを閉じるとそう言いながら七海に手渡した。 「りょーかいでーす」 軽い返事をしながらアタッシュケースを受け取った七海はファイルも持ちながら立ち上がった。 「それじゃ行こっか。ひなちゃん」 「はい」 そして七海に続いて陽南が立ち上がり、それと同時に知真も立ち上がった。 「まだ警察学校を卒業したばかりで色々と大変だと思うが一課全員でサポートしていく。頑張ってくれたまえ」 「まだまだ未熟者ですがよろしくお願いします」 陽南は言葉の後、頭を下げた。 そして先にドアまで歩き出した七海に続き部屋を後にし、エレベーターへと乗り込んだ。 <大好きで、心から尊敬する姉との突然の別れ。ずっと事故だと思っていたが――その日、彼女は姉を殺した男と対面する。それは殺人金の嘲笑か、それとも真実への招待か。日記の中にいた姉を追い求め――今、彼女は思い掛けない新人警察官としての一歩を踏み出した>
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