新たな事業

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 「金がなければ何もできない。正直、人を集めるために有名曲を何度も演奏することだってある。だが、金があれば冒険もできる。それを許さない会社なら組みたくないが、お前はそういう音楽に理解がある。それに、音楽を広めるということでは企業のタイアップは非常にいい。知らない人を取り込める」  黎はうなずいた。自分と同じ考えだ。正直、何より欲しい味方がプロダクション内にいる。助かった。  「神楽の期待以上の効果を上げさせてみせるよ。金額についてはまだそちらの財務状況を見て考える余地がある。こちらに任せてくれないか。とりあえず、何か出来る範囲の金額にはするつもりだ。二年後、成果があれば増資されると思う」  「ああ。反対派はお前の案を見せてから説得するよ。ダメならお前自身に出馬願うとしよう」  黎は驚いた。神楽一人で会社内をまとめようというのか?  「いや、俺が行くからいいよ。きちんと上層部にプレゼンするから、無理するな。お前の将来もある。上層部にたてつかないほうがいいだろう」  神楽はニヤッと笑った。  「堂本。いずれ独立するときは、お前の後ろ盾を期待してもいいか?」
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