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第1章 10年越しの恋とは
ある日、一通の往復はがきが多香子のもとに届いた。
「高校を卒業して10年経ちました。アラサーになったところで、皆さん再会しませんか。3年5組のクラス会です……」
往復はがきね。まぁメールを登録しているわけじゃないから、仕方ないよね。そうだ、ラインの友達の様子を見てみよう。
「ねぇみんなはがき来た?」
亜由菜がもう書き込んでいた。
あぁとっくに上がっていた。よかった気がついて。
「来たよ。みんな行くよね」
自分も書き込んだ。このラインはたまたま、数年前会いたいねメールをやり取りした時があったから始められた。それでせっかく再会したのだから、続けやすいラインを使おうとなったのだった。
「うちにも来たよ。大丈夫行けそうだから」
穂波から返事が来た。他にも夕梨花や澄子からも「出席するよ」と言う書き込みがあって、このグループ全員の参加がわかって楽しみが膨らんでいた
。
「それにしても、ドレスコード付きとは。結婚式会場を使ってやるなんて、幹事のこの智とかっておかしいよね」
「そうそう、翔太が結婚式場で働いているって。だからじゃない」
「真純、くわしいね」
夕梨花がつっこんでいる。多香子は「この前いとこの結婚式で着たドレスがあるから良かったよ」と書き込んでいた。そうして、クラス会の前に集まれる人でお茶をしていこうとまとまった。楽しみが増えていった。
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