月夜のエンカウント

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月夜のエンカウント

 異世界の空気は綺麗だ。何故なら、異世界では車が走ってはいないし、人の迷惑を考えずに副流煙を撒き散らすスモーカーが居ないから。そして、夜であれば人の動きも減り、更なる空気の清浄さを感じられる。冷えた空気の方が何となく綺麗な気がするのは、登山した時の経験からだろうか? 分からないが、涼しい時間帯の方が、空気が美味しく感じられる。  また、こちらの世界の夜の出店は、明るい時間には見受けられないアイテムが売られていることもある。英国発のファンタジーでも、時間帯によって変わる店が在った気がするし、魔法のある世界観ではそう言うものなのだろう。そんな訳で、身分を隠して物珍しい飲み物を買っては飲み、ちょっとした食べ物も摘まむ。  こちらの世界に召喚されてからというもの、遠征時を除けば食事の面で不自由は無い。だが、栄養補給と心のエネルギー補充は別。異世界ならではのグルメを近場で楽しめる時には楽しんでおく。勿論、仕事で遠征する際にも、隙あらばご当地グルメを試してみる。どのエリアの食べ物にも当たり外れがあるが、マイナス方面に当たっても浄化魔法と解毒魔法があれば問題点は無い。体調を崩す要因があったとしても、そのエリアの人には問題のない程度の要因。恐れる程の事では無い。
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