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思い立ったら絶対行動のユウナギは、夕方からもナツヒを探し回る。そして日没寸前にようやく、中央片隅の川沿いで彼を見つけた。ちょうど彼はひとりで座っていて、なにやら黄昏れているような雰囲気だ。彼が暇そうなので安心し、話しかけようと走りかけたら、彼の元にシュイがやってくる。
あれ? なんでシュイがここに? と訝しんだ彼女は、なんとなく出て行きづらくなり、近くの小屋の影に隠れた。何か話しているようだが、彼らの会話はよく聞こえない。
シュイが立ち上がり、ナツヒから離れて行こうとした。すると彼は彼女を追って引き止めたようだ。ユウナギは彼がそこで、彼女に何か手渡したのを見た。
そしてナツヒも向こうに行ってしまい、シュイは少し立ちぼうけていたが、それから、ややユウナギのいる方に向かって歩いてくる。
ユウナギは更に奥へ隠れたが、顔だけ乗り出し、彼女の手をまた盗み見た。その手にあったのは、珠がいくつも連なった装飾品だった。
ユウナギの頭の中で、なぜだか。
朝方アオジの言っていた「あいつも身を固めれば」の言葉が、ぼんやりと浮かぶのだった。
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第11章、お読みいただきありがとうございました。
第三部はここで終わりです。
第四部はこちらから⇩
https://estar.jp/novels/26167660
続けてお読みいただけましたら幸いです。:.゚ஐ
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背丈についての会話が出ましたが、一応身長設定があって、
ユウナギ 156cm
ナツヒ 164cm(初登場時)→ 174cm(11章現在)
トバリ 178cm といった感じです。
これ次章も「ユウナギは憂鬱に過ごしていた…」で始まるんでしょ?という雰囲気で終わってしまいましたが、本当に開幕それで始まります。
次章もお楽しみいただけますよう。(祈)
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