ヴァルハラ平にて。

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「お貴族サマの御前試合でもあるまいし、態々諸君の得意な戦法に付き合う義理はないのでね。 ドック=ブグンナール隊長に問おう。 我々に降伏するかね?」 落ち着いている半面挑発を多分に含ませてもいる声色にてツヴァイゼ分隊長。 当然偉大なる鉄槌分隊全員から一斉にブーイングが発せられる。 文字通り指揮官先頭で偉大なる鉄槌分隊が真後ろに弾き飛ばされ分隊仲良く泥まみれとなったのは、其からすぐの事であった。 昨夜の作戦会議時に元大魔女であるカナカのアドバイスがきっかけで閃き、たった今三八式歩兵銃に着剣された三十年式銃剣から放たれた陸攻の新たなる風属性魔法『オストヴィント』に拠って。 「うちの分隊長の厚意を土足で踏みにじった上に囃し立てるとは手荒く生意気だ。 しかも、指揮官先頭で冷静な判断が出来なくなるとは言語道断! 誇大尚且尊大なるカナヅチ軍団、36点」 声高々に陸攻。 ツヴァイゼ分隊長は陸攻の様子に苦笑しつつも何処か楽しげに見える。 そんな雰囲気の中マヤチョウは心の中で (あのクマを丸二日も経たんうちに…? ツヴァイゼ分隊長、千点やな) …と呟くのであった。
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