奪われた日

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 私の人生が一変したあの日の夢。  あの日、私に襲い掛かってきたのは一台の乗用車だった。  襲い掛かってきた、と言っても狙われていたわけではない。  居眠りだか脇見だかでハンドル操作を誤ったらしい。  そんな車の突撃を半ばもろに食らったのが私という事らしい。  だが、私は死ななかった。  とても幸いとは言えない。死に損ねたと言った方が正しいだろう。  あの日、私に本来備わっていたはずの、人としての様々な機能は奪われてしまったのだ。  それ以来、横たわったきりの生活を過ごしている。立つだけならできるが、歩くことはできず、腕もわずかに動かすことができるだけ。喉が潰れたせいで言葉も奪われた。  地獄がそこから始まり、それは今も続いている。  いつか何かの形でこの機会が訪れるのは分かっていた。  ベッドの横にかけられた鏡。首を動かせば見ることができる。  そこに映るのは紛れもなく、あの日の老人の顔なのだから。  本当に夢だったら、どんなに良かっただろう。  泣きたいが、涙を流す機能はあの日失ったままなのだ。
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