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‐‐‐‐ 映里。 きみがいつも、何をしていたか知ってる? 美結も、同じようなものだけどね。 だってあの時裏山の公園に私を連れてきたのは、美結だったもの。 ふふふ。 楽しみ。 「ちょっとトイレ行ってくるねー」 映里が席を立った。 「じゃあ私もー」 どうやら、美結も一緒に行くらしい。 やったぁ。最高じゃない。 「明依はここにいてね」 「うん。大丈夫、分かってるって」 最後の笑みを満面に張り付けて、高い声を発した。 良かった、まだメロンソーダには口をつけていない。 2人がトイレの中に入ったのを確認して、鞄の中に入っていた瓶を開ける。 そして、すぐさま映里のメロンソーダに瓶の中の液体を流し込む。 ボトボトボト。 奇怪な音を立てながら調和していくその緑色を見て、どうしようもない胸の昂ぶりを感じた。 これで、報いることができる。 花緑青で、私を救ってくれたあの人に。
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