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ごみステーションの中で、ゴトンと大きな音がした。住人が倒れたのかと思った。
私は中を覗きこんだ。誰もいない。
その時、またゴトンと物音がした。目をそこへ向けると、電気掃除機が置いてあった。壊れて使えなくなったので捨てられたのだろう。きっと誰もそう思う。そう、粗大ごみになって捨てられた末路。
私はあたりを見回したが、先ほどの人影はどこにもいなかった。
仕事で疲れすぎて、おかしな幻覚でもみたのだろうか。私は怖くなって、その場を足早に立ち去った。
翌朝。
会社へ向かう時、そこを眺めると、掃除機だけが無くなっていた。誰かが掃除機を持ち出したのかもしれないが、私にはどうでもよいことだった。
さて、この続きが気になる方は、「タンデム掃除機」をお読みください。
https://estar.jp/novels/25290604
また本篇は、竹書房×エブリスタのコンテストで書籍化されたアンソロジー集にも収録されております。
竹書房「都会の怖イ噂」 ISBN978-4-8019-1988-4
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