高嶺の花

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 誰でも髪型を変えるとイメチェン出来るものだけど富士額が印象的な正統派美人が前髪を垂らして額をすっかり隠すと途端に売れっ子アイドル歌手顔負けの可憐な感じになるのには甚だ驚いた。これは特筆すべき発見だ。アイドル歌手全盛期の1980年代に女盛りを迎えた女性社員について述べているのである。で、不世出のスーパーアイドル松田聖子が決してオデコを出さないヘアスタイルを押し通していたことに鑑みて、あのイメージで押し出すのも意外性があって実に良いと思った。と言うのは天は二物を与えないもので松田聖子のようなかわい子ちゃんは大抵ペチャパイであるものだが、彼女は胸がデカい、而もロケット型に整っていて形がめちゃくちゃ刺激的且つ扇情的なのだ。だからこんなに可愛くておっぱいまで大きいときちゃあ、それだけで最強じゃんとなる上、体が細いのにウェストがしっかり括れ、そのラインがめちゃくちゃセクシーなのだ。おまけにきゅっと締まった上げ尻で手足がスラリとして全体に均整が取れ、めちゃくちゃかっこいいのだ。何で彼女の裸を見たみたいにそこまで詳しく言えるのかと言うと、俺の上司が彼女とラブホテルで寝たことを俺を始め部下たちの前で自慢して彼女がスタイルもプロポーションも抜群なのを知ったことも自慢して彼女の美しさについてつぶさにいやらしくくどくどと説明したからだ。更に言うにはやらしてくれと迫った時、彼女は100万以上要求したそうだ。そんな無理を言うとクビにするぞと脅しても出来るものならやってみなさいよ、私がいなくなっても良いの?私は引っ張りだこだから困らないけど、何なら今すぐここより待遇の良い所へ移ろうかしら、とこう来たそうだ。で、あっさり降参して100万払ったんだとさ。他にも上層部の中にはそうやって彼女とやったのがいるらしかった。そんな噂が立っても彼女は当然の如くモテモテで会社中の男の垂涎の的だった。で、誰が金的を射止めるか、自ずと興味はそこに集中したのだが、玉の輿狙いに決まってると思う我ら平社員の間では、所詮高嶺の花さと諦めムードが漂っていた。しかし、高嶺の花と言ってもOLに違いないから俺の相手もしてくれることがあって俺と同僚二人と彼女と彼女の同僚一人とカラオケ屋で飲み会やった時、俺の歌唱力を彼女が褒めてくれたりして、いやあ楽しかったなあ。何せ彼女が俺の隣に来てくれて俺といちゃつく真似までして松田聖子の歌を歌うもんだから可成り酔ってた俺はグラマーでナイスバディになった聖子ちゃんみたいだなって言ってやったんだ。そしたら、そう言ってくれるのが一番嬉しいわって彼女ったら俺に抱きついて来たんだ。で、俺も調子に乗って彼女を抱きしめたら、いや、もう堪んねえの何のって、実は彼女、ひよこ聖子ちゃんって言っても今の若い者には分からないだろうけど、ひよこ聖子ちゃんみたいなキャミワンピミニスカ姿だったもんだから俺ら徒でさえ飲み会始まる前から興奮しまくってたのにこれだから、もうこの勢いでやっちゃおうかと思ったけど流石にそれは無理で二人切りだったらなあとあの時程、残念に思ったことはなかった。しかし、彼女のふくよかな胸の感触を胸伝いに味わえ、今にして思えば、俺の人生であのひと時こそが至幸の時だったのだ。何しろデコルテから両手にかけて露出していたし、脚もほぼ露出していたから残りの見えない部分を想像したり彼女と一体になっているのを想像したりして俺は精一杯、彼女を味わった。で、彼女の同僚は俺の同僚によると、めちゃくちゃ妬いていたそうだが、俺は彼女に無我夢中で全然気づかなかった。そんな俺に気を回すのが義理だとでもいうように俺の同僚二人が付き合っちゃえ!とか、やっちゃえ!とか騒ぎ立ててさ、彼女も調子に乗って冗談めかして俺たちがカップルみたいに惚気出してさ、冗談だろうが何だろうが俺は有頂天になってさ、でも、お座なりって奴でその場限りの余興でさ、あれから半年後に彼女は案の定、玉の輿に乗って退社したっけ。俺はそれから直ぐに件の嫉妬した十人並みの女にアタックされたが、肘鉄砲を食らわしてやった。その後、10年も経って要約、諦観して妥協した結果、十人並み以下の女と結婚しちゃったよ。何せ理想を追っかけ続けたんだけど焦ってたし係長止まりだったもんでね…草。  
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