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「と、いうわけで。お前には私の後継者になってもらいたいんだ」 「……はぁ?」 その一言が、俺の人生を大きく変えることになった。それまでの灰色で乾いた日々が、鮮やかに色づき潤い始めることになる。 でも、この時の俺はそんなこと気づくわけもなかった。 だって。 「いや、ええと……誰ですか、貴方」 「うーん。お前の曽祖父の、弟?」 「ええ……」 体の半分が透けているなんて、どう考えても幽霊しかないだろ!? しかも、曽祖父の弟って何!? それって血繋がってる!? 何が何だか訳がわからない。どうしていきたり会ったこともない祖先が幽霊になって会いにくるんだ。 でも、まあ。 (いいか、それでも) 東京の外れ、狭いワンルームの一室で。 「お、俺は……室生涼太、です」 「よろしく、私は室生修三だ」 俺の世界に、一滴の色が垂らされた。
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