はじまりのワルツ

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「どうか、助けてくださいっ!」  目の前でひれ伏す男子生徒三人。  なんなの? なんでこんなことになっているわけ?  呆然としている私を、斜め前で壁にもたれニヤニヤと見ているのは、一年生ながら生徒会副会長の五十嵐(いがらし)瑠偉(るい)。 「困っている生徒を助けるのも生徒会役員の仕事じゃないの?」 「いや。それにしたって、こんなお願いは困るよ」 「そこを何とかお願いしますーーーっ!」  再び頭を下げる男子生徒たち。 「まるで女王様だね。いっそ女王ならピッタリかも」  瑠偉のからかうような言葉にムッとする。さっきから助け船も出してくれず、ずっと面白がるように様子を見ている。 「ふざけないで! ほら、あなたたちも頭あげてよ。そんなことされても困るんだってば」  とにかく身体を起こしてもらおうと、肩に触れると、ウルウルとした瞳で訴えてくる。 「でも、でもこのままだと僕たち、舞台に穴を空けてしまいます」 「弱小部にとって、来年度の新入部員確保は部存続における死活問題!」 「なにがなんでも舞台を成功させたいんです!」 「「「お願いします! 生徒会長!」」」  ……そんな事言われてもーっっ。
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