どの道、美月は愛される

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「大変申し訳ない事をした....。」 大罪人が罪を懺悔するような言い方だった。 一気に重苦しい雰囲気に包まれる。何故そこまで...と思っていると、一筋の鮮血が首から垂れてきたのだ。なるほどな、と思ってしまったが、やはりいくら何でも深刻すぎるという思いは消えない。 「私は大丈夫ですよ。ちょっと痛みが走っただけで、後は特に何も...。」 「血が出ている。恐怖心も植え付けてしまった。大失態だ。本当に...申し訳ない...。お前を抱く資格も無いな。」 「いや有りますから!深刻になってるの黎一さんだけですって!!」 「すまん......出て行く。」 「!!!や、ヤダ!!」 血の気が引き、若干唇も震えていた彼の腰に私は両足をクロスさせ、無理矢理密着させた。
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