プロローグ

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プロローグ

 古いビルの地下にある、薄暗い防空壕のような小部屋。  口髭を蓄えた浅黒い顔の男が、固いベッドに横になって微睡(まどろ)んでいた。  その男は、なぜ自分がこんなところにいるのかよくわからないまま、早く朝になって迎えが来てくれないかと待ちわびていた。  東の空が少し白み始めた頃のことだった。  突然、男の頭上に衝撃音がこだまし、一瞬のうちに男を閃光が包み込んだ。  そして、何が起きたのかを知ることもなく、男の命は(つい)えた。
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