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「あれだけの衝撃で……む、無傷だと……。
この黒い塊は、一体何なんだ……」
黒い塊は、ポコポコと分裂するように別れて、黒い球体に赤い瞳と、黒い身体には黄色い花びらみたいなのが着いている。
「ぶ、分裂してる……」
「な、何か弱点があるはずよっ!! 攻撃が絶対効かないわけないわっ」
「弱点探そうにも、分裂して我々を囲んで逃げられそうにないでありますよ。
クルル!! 何か分からないのぉぉおお!!」
叫びながら部下であるクルルに助けを求めている。この球体達は構いもせず衝撃波を溜めてケロロ達を仕留めようとしてるみたいだ。
「んー、俺様色々想定外過ぎて調べ物が多いんだにょ、ま、冗談はヨシコちゃんとして、もう少し持ちこたえてくれ。隊長達」
「ちょっ、クルル!!」
放たれそうな赤い衝撃波に、待ってぇぇぇえ!! と叫ぼうとした時、黒い球体に一つの槍が放たれる。
団子三兄弟のように球体を槍で突くように串刺して、消滅するように爆発してキラキラと爆発の星が散らばる。
次々と、その黒い球体は倒されていく。
「わにゃっ!!」
彼らの前に現れたのは、青いバンダナを巻いた、身体がオレンジ色の生き物だった。
青い布が巻かれた槍がくるくると落下する。
その槍をキャッチすると。ケロロ達に向けて手を振った。
「あのオレンジの生き物は……??」
「た、助けてくれたのかな?」
助けてくれたと思われるオレンジの生き物は、すぐに彼らに駆け寄った。
「わにゃわにゃ??」
「え? わにゃ??
こ……コレまた、分からない言葉……。もしや、あのピンク殿の知り合いだったりする?」
大丈夫?? と云いたげに駆け寄るわにゃわにゃ云う生き物。ケロロ達に怪我はない感じを確認すると安心している様子だ。
「それにしても、何故……この只の槍で攻撃が入ったんだ。爆撃じゃ無傷だったのに……」
「わにゃ? わにゃにゃにゃにゃ」
「か、可愛いけど……言葉が分からないわね」
何故攻撃が通り、相手を倒せたのか説明してるオレンジの相手。只、言葉が分からない。
「クルル。翻訳機出来てたりする?」
「ああ、とっくに翻訳機出来てるぜ。このまま使わねぇかと思ったがな。ちょっと待ってろ」
小さなクルルの顔をしたドローンみたいな機械が彼らの前に飛んで、電波を放ってる。
「わにゃわ………わ……みな、皆さん。ボクの言葉分かります?」
この電波の翻訳機の影響でこのわにゃわにゃ云ってる相手の言葉が改めて分かった感じになった。
「あ、言葉がわかったわ!!」
「コレであの黒い球体の倒し方が、分かるでありますよ」
誰だか分からないけど、戦力になるわにゃわにゃくん。どっからでもかかってこいやぁと、ケロロは意気込んでる。只。
「ぐ、軍曹っ」
「ん? ゲロ? どったの?」
「に、逃げないと あ、危ないよぉー!!」
ケロロから彼らは急遽離れる。ケロロの背後から光の球が放たれたのだ。「ぎゃーっ!! げろぉぉおお!!」と、巻き込まれるように赤い衝撃波を浴びてしまう。皆、衝撃波から逃げたのだ。
「ボケガエル!?」
真っ黒くろな焦げコゲな状態で、アフロ姿になってしまった彼の姿に苦笑いしながら、ケロロはどさっと口から煙が溢れながら倒れる。
戦いの最中なのを忘れてたからなのか、ケロロが黒い球体の赤い衝撃波の被害にあった。
「緑のカエルさんっ!? ッッ!!?」
心配するように、叫ぶオレンジの彼。
そして、違う方向から衝撃波がオレンジの彼に向けて放たれた。愛用の槍でぐるくると回してその衝撃波の衝撃を和らげて回避をした。
流石に槍自身は衝撃に耐えるのは無理しているのか、煙が上がってるが気にしてる暇はない。
「……………」
そんな彼らの前に前にもう一人誰か現れた。
オレンジの彼に、攻撃してきたのは若葉マークを額と胸に掲げるケロロ達がよく知ってるタママみたいだった。
「た、タママ!! 無事だったんだ。
えっと……こ、攻撃しなくても大丈夫だよ。この子は味方みたいだから」
「タママ。無事で何よりだ。今は単直に急いで聞くが……、中で何があったか知ってたりするか?」
倒れてるケロロを冬樹は抱え走りながら、タママの元に真っ先に駆け寄ろうとする。ギロロは仲間の一人が無事そうだった感じなので、屋敷内の様子を知ってそうなので聞いてみたのだが……。
「た……」
「ん? どうしたの? タママ?」
俯いて彼らを一切視ようとしない彼。光のエフェクトが彼の回りに集まり出している。
「ッ!? だ、だめっ!! その人に、そのカエルさんに近付いたらだめっ!!」
小隊の仲間であるタママに駆け寄っている彼らに、叫んでいる。そもそも、オレンジの彼がケロロ達に出会った理由は彼、タママにある。それは、後にして。危険を知らせようと慌てて伝えてる。
「たた…た……………タママインパクトォオオオオオオ!!!!」
口から光の球を集めながら……。
冬樹と気絶して抱えられているケロロに、彼の技であるタママインパクト。衝撃波が放たれる。
彼にとって尊敬するケロロに、彼がギャグならまだしも、通常で攻撃するわけないのだ。
そして、地球人である冬樹にも、そんな傷付ける行動なんて事はするわけない。
「冬樹っっ!!??」
姉である夏美が叫びながら、守ろうにも追い付かない。冬樹を助けるために庇うようにオレンジの彼は走り、雪が積もった大きな大木を拳でおりゃりゃりゃと突きはっ倒す。
そして、その急いでタママにその自分よりも大きな大木を「てぃやぁぁああ!!」と容赦なくぶつける。
「んっっ!? ぶっはっぁああああ!?」
その大木がタママインパクトの衝撃波で消滅しつつも、何個も大木をオレンジの彼は投げてくる。
そのせいで、大木の消滅が追い付かずに口の中に大木が可愛そうなぐらいにタママの口に突っ込まれている。
「す、凄い……」
「ボクはワドルディ……バンダナワドルディ。どうか……どうか……カービィを探して。
そして………、大王様を……大王様を……一緒に……助けて下さい!!」
涙眼でうるうると彼らに訴えるオレンジの彼の名は、バンダナワドルディ。
可愛い見た目に反しての戦闘力に、
驚いてる冬樹達とは裏腹に改めてお願いしたのだった。
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