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秘書に確認すると、あと三十分は時間があるというので、本郷と向かい合った。
「どうだ、その後……」
「ええ。具体的に案が三つ通って、あちらで部屋を考えています。椎名不動産の柿崎さんという建築士の方がインテリアにも詳しくて、水川さんのラフ案を見ながらふたりで打ち合わせしてましたが、息ぴったりで驚きました。大学の同級生だったみたいですよ」
「……」
俺は思いもかけぬ本郷のひと言に固まった。
「……水川と柿崎さんが組んでやっているのか？」
「ふたりはデザインの授業を一緒に大学時代取っていたらしくて、話が早いらしいんです」
「それで、樋口達は何やってる？」
俺が冷たい口調になったのを見て、本郷は驚いた。
「いや、樋口は木村が出してきた商品案を水川と相談して、色など変更がある場合に対応しています。それから俺はあちらの課長とどの部屋を候補にするか具体的に詰めています」
「……わかった。後は何かあるか？」
「ラフ案をパソコンで共通に落としましたので見ておいて頂けますか？来週、椎名不動産に出して相談する予定の分です」
「了解。お疲れ」
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