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私はそのキシュウマイ様の石塔の前に立ち、そのじっとそれを睨む様に見た。
耐え切れない程の頭痛と耳鳴りも始まった。
私もじっと立っていられなくなり、傍にあった木に手を突いた。
「一旦、帰ろうか…」
道彦君が私とFの様子を見て、そう言い出し、私とFは関口と大村に肩を貸してもらって山を下りた。
不思議な事に、キシュウマイ様から遠ざかるにつれ、その頭痛は治まって行った。
キミコの家に戻って、私とFは縁側で横になり、冷たいお茶をもらって飲んだ。
「すまんな…」
Fは身体を起こして大村に言う。
「何か、情けない感じになってしもうたな」
Fは頭を振りながら言う。
私もゆっくりと身体を起こして、私たちを覗き込む様にしゃがみ込む大村を見た。
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