公園にて

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ぽと。 ナイフが落ちた。 先生は前に倒れた。 着物… 「この方は知り合いでしょうか」 カエさんも私も呆気にとられた。立ち上がりかけてた膝が言うこと聞かなくて、私だけ再び椅子に座る。 「さっちゃん、怪我は?」 「…う」 思わず泣き出してしまった。 「大丈夫ですか?」 零はすぐさま私に駆けつけてくれた。抱きしめられた。 「あの、カエさんというのはあなたでしょうか?」 「…はい。逢坂さんのお知り合いでしょうか?」 カエさんは、こんな時なのに冷静だ。 「彼氏です」 「…あ、なるほど。そうなんですね」 「この人は前の担任の先生なんです。でも、逢坂さんに乱暴しようとして」 「それはいけませんね。警察に届けましょう」 零は携帯を取り出して連絡している。先生は気絶してる? 「さっちゃん、もう大丈夫ですよ。みなさんはお怪我はないですか?」 「私は大丈夫ですが…」 あ。鈴野くんが倒れたまま。 「俺は、平気です…助けてくださりありがとうございました」 「いえ…」 ふわ、っと零に抱きかかえられた。 「ちょっ、な、なにするの」 「タクシーで帰りますか?」 「待って!カエさんたちが…」 「逢坂さん。ごめんね。怖い思いしたね」 「カエさんのせいじゃない!」 「また…次の機会だね」 「え!もちろん!嬉しい!」 「さっちゃん、タクシー呼びますよ?」 「…零は一緒に乗ったらだめだよ?」 「はい。すみませんが、取り調べが必要と言われたら、今日は無理だとお伝えください」 「わかりました」 カエさん、すごく冷静すぎる。怖いとか、ないのかな?
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