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伊織
深夜、伊織くんの部屋にいる。
「カエさん…寒くない?」
「大丈夫…」
伊織くんの口元は、私の耳のすぐそば。間接照明だけの部屋。
「…ん」
変な声出したくないんだけど…
伊織くんが耳触るから。シーツを握って声を抑える。
「…カエさん」
…ぼそぼそ言わないで。
「かわいい…」
恥ずかしいよぉ。
「カエさん、なんか…言って」
「い、伊織く…んっ…」
「声、我慢しないで?」
「や、声っ…うるさいんだも…」
キスされた。苦しい、伊織くん…なんで、なんでそんな余裕なの!
「カエさん、かわいい」
うう、恥ずかしすぎてどうしよぉ。
…は!ここは、伊織くんのベット。
うっかり寝てしまっていた。伊織くんも寝てる。…う、私、裸!
着替え、どこ?暗くてよく見えな…
「カエさん?」
腕を引っ張られて、伊織くんのもとに戻された。
「寒いよ?」
「服、着たい」
「あ、そうだった。電気つける」
あ、そうだよ。普通に電気つけたらいいのに、ぼんやりしちゃってた。ぶら下がってたヒモを伊織くんが引っ張ると明るくなった。
「カエさん、かわいい」
え?
なん、で抱きつかれたんだろ?なぜ後ろから。
ん?
「綺麗」
え、え、それは私の胸ですが、伊織くんの手が触っ
「や、だめ、見たら…」
「なんで?まだ恥ずかしい?」
「…だめなの」
「でもカエさん。暗いとよく見えない。もっと見たい」
「だめ…伊織く」
顔近づけるとか…
「かわいいね、カエさん」
恥ずかしいけど、力は使おうと思わないし、無意識でも使ってない。
嫌じゃないっこと?わかんない…
「み、見過ぎだってば!」
「カエさん、ちゃんと見せてよ」
「もー!だめ!着替える!」
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