望む終わりへと

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ようやく林を抜けた。 そこには......。 大木を4本を囲った家があったが、川は無かった。 「まさかそんな......僕が来たときにはあったのに!」 「俺も、夢でみたときは流れていた。 夢の中では、何度もここでギョウと会話をした。 大小の岩の位置まで全部、同じだ。ただ川が無いだけだ」 「ミカゲさん、夜城さん、どういうことなんでしょうか?」 真昼が強く花束を抱きしめた。 「推測だけど、水の神様に見捨てられたんじゃないかな? あの墓山での戦闘にしても、ギョウに味方しているような感じは、 あんまりしなかった。むしろ勝手に怨霊の手の内に入り込んで、 引っ搔き回して、しまいには山の神まで怒らせた......。 真昼さんのいる前で言うのも申し訳ないが、水の神は、二百年を 生きる罰とかスッ飛ばして、入方そのものを切り捨てた。 そういう気がする。だからアカツキとギョウの命は捨てられたと」 「そう、ですか......。 だけど、夜城さんの言う通りだとも思うんです。 お2人は長生きできた。そのおかげで私も出会えた。 それで、それで、もう良いと思います。そっと眠らせるべきと」 愛媛の旅からここまで。 真昼にとっては辛い旅だったろうが......。 真昼にとっては超えるべき旅だったのだと思う。
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