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「すぱだり~🎵 すぱだり~🎵 あたしの彼氏はすぱだりなの~🎵 いやん、いやん、いやんったらいやん、すぱだりの彼をイジメないでえ~🎵」
俺の彼女、ダーリンが、歌っている。
ここは、俺が代表取締役員をしている会社の、役員が勢ぞろいしている大会議室……。
その真ん中で、ダーリンが、体をくねらせ熱唱している。
ダーリンは、ヘンだ。
いや、それは、十分わかっていたはずだ。
しかし、何故に、こんな事態になったのだ?!
俺は、思い返していた……。
「明日は、役員会議なんだ。俺は社長の息子で、代表取締役員だから、他の役員から、やっかまれて憂うつなんだ……」
そう、俺は、つい、ダーリンとのデートの時に、愚痴をこぼしてしまった。
「いやん、いやん~ 、すぱだり~💘 ゆううつなことがあるのお~😲? ゆううつなことはねえ~、ええいってやっつけちゃうのよ~、えへへ、あはは~( ´∀` )」
俺は、ダーリンに愚痴ったことを後悔した。
この変な女、いや……俺のダーリンは、まともな思考が出来ない。
「だーりんがさあ、すぱだりのきらいなやつ😡、やっつけてあげるうううう~!」
「い、いや、大丈夫だ。心配しないでくれ」
俺は、得体の知れない嫌な予感に怯えながら言った。
そして……。
この事態である。
ダーリンが、役員会議室に乗り込んできて、真面目な役員面々の前で、熱唱している。
「すぱだりはあああ~ああん🎵、イジメちゃ、だめだめえ~、ほめてそだてるのよおおおう~🎵」
茫然としている真面目な役員たちに、どう言い訳すればいいのか、俺はダーリンの熱唱を聴きながら、頭を抱えたのだった……。
おわり
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