病は木から

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それはありとあらゆる所に遥か彼方からあり続けていた。 なんの変質もなく、ただひたすらにひっそりとあり続けていたのだ。 それに、人は気づくことができなかった。 否、見つめる必要がなかったのだ。 人畜に無害。 何をしているのか、どのような作用があるのか、有益でも無益でもなく、ただ無害。 だから誰にもそれは見つけることができなかった。 ただ・・・ それは、その時を、待っていた。
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