1.誰もいなくなった箱庭 - 如月 -

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「如月ちゃん、痩せたわね……。  ちゃんと食べてるの?」 真梛斗も何度か来たことがある、このお店。 だから、おじちゃんとおばちゃんも当然、真梛斗が交通事故で亡くなったことも知ってる。 「ちゃんと食べてる。  いつも有難う。  家に帰って頂くねー。  おやすみなさい。お疲れ様でしたー」 「はーい、おやすみ。  明日も頼むよー」 そんなおじちゃん、おばちゃんの温かい声に見送られて、 昼間の暑さとはうってかわった、過ごしやすい風を感じながら、 私は駅に向かって、スマホを見つめながら走り出す。 終電まであと15分。 急ぎ足で改札に滑り込んで満員電車に乗り込むと、 じっくりとスマホを確認する。 美織からの連絡を確認する。 ★ お疲れ様、如月。 今日もバイトだったわよね。 えっと、先方と連絡が着きました。 急だけど明日の13時だと、会議の合間に少し時間が出来るみたいです。 帝国ホテルのロビーでならと言う連絡でした。 ★ 明日かぁー。 美織からのメールに少し溜息をつきながらも、 アタシは、「わかった。じゃあ、12時頃に行くわ」っと返信した。
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