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(凄い、恭輔そっくりの顔!)
「ただいま、母さん」
「お帰り、恭輔。──まぁ、もしかして其方が」
恭輔から私に視線を移した女性はにっこりと笑った。
「まぁまぁ、とっても綺麗なお嬢さんだこと。本当に恭輔の彼女なの?」
「は、初めまして、佐東杏奈といいます。恭輔、さんとお付き合いさせていただいています」
「あら、本当なのね。あなた美人さんなのに恭輔みたいな子どもチビでよかったの?」
「おーい、母親が息子貶めてどうするんだよ」
「息子だからいってあげてるのよ。本当にもう、あんたは似なくてもいいところばかり似ちゃって」
「今そんな話しないでくれよ」
突然始まった親子の会話に気後れしそうだった。
「さぁ、杏奈さん中に入って。狭くて古い家だけど我慢してね」
「いえ、お邪魔します」
おずおずとお店の中に入ると決して広くない店内には昔懐かしい駄菓子が沢山陳列されていた。
「お店、駄菓子屋さんだったんですね」
「そうなのよ。商店ってついているけどね、昔ながらの駄菓子屋なのよ」
「わぁ、懐かしい。これ、子どもの時大好きでした」
「あらそう。じゃあはい」
「え」
懐かしい駄菓子を見つけて眺めているとそっと手渡された。
「来訪祝いにひとつあげる」
「えっ、いいです。私そんなつもりで──」
「いいのよう。ひとつだけしかあげないんだから。貰っておきなさい」
「あ、ありがとう、ございます」
「そうそう。素直な子は好きよ、わたし」
「……」
なんだか少しだけ感じていた緊張感がこのやり取りで薄らいだ気がした。不意に視線を感じて見ると、其処には私を柔らかく見つめる恭輔の笑顔があった。
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