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 昼と夜が混じり合う刹那。目が痛くなるほどのオレンジが、彼を黒い輪郭だけにした。  真実は常にそこにあったのだ。私が見ようとしなかっただけで。こんなはずじゃなかった、はただの言い訳。私はまんまと騙された、それだけだ。 「どっちがいいか選びなよ」  ぎゅっと握りしめた掌に、じわりと汗が滲んでいく。肩甲骨の辺りがぴくぴくと疼いた。けれど、私はそこから微動だにできないまま。 「簡単な選択だよね?」  甘やかにゆるやかに囁きながら、深い闇は迫る。突風に煽られて、エクリュベージュのカーテンが暴れ狂う。 「俺のモノになるか。それとも──」  何と答えたかは覚えてない。気づけば光は、闇に溶けていた。
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