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「真っ直ぐ行った所のドアが、リビングダイニングだよ」
直也の説明を聞いた栞は、そのドアへと向かった。
そしてドアを開ける。
広いリビングが現れた瞬間、
真正面のガラス窓に映り込んだ素晴らしい夜景が見えた。
それは、先ほど見た羽田の夜景にも負けないくらいの絶景だった。
思わず栞は窓辺へ駆け寄る。
「先生凄い、こんなに綺麗な夜景が見えるなんて......」
「いいだろう? この景色が気に入ってここを買ったんだ」
「本当に素敵~! 毎日この夜景が見られるなんて凄く贅沢!」
栞が窓辺に張り付いていると、後ろから直也が近づいて来た。
そして、後ろから栞の腰の辺りに手を回すと、
包み込むように栞を抱き締めた。
「ずっと、この景色を栞と一緒に見たかった......」
「ずっと?」
「ああ、そうだよ、ずっとだ」
「ずっとっていつ頃から?」
「栞が高校生の時からだ」
「えっ?」
「僕はあの頃から、君の事が好きだったんだよ」
「......!」
「じゃあなぜ連絡をくれなかったのかって言いたいんだろう?」
また思っている事を直也に当てられたので、栞はかなり驚いた。
そして、直也の問いにコクンと頷いた。
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