5人が本棚に入れています
本棚に追加
/22ページ
少し音をはずしたチャイムが鳴った‥‥。
今日は、授業が4時間で終わり。
給食もない。
「今日の、そうじ当番は、誰だぁ〜」 と先生が叫んでる。
「お昼食べてから、自転車で待ち合わせね〜〜」 と誰からともなく大声で叫んだ女子‥‥。
「りょうか〜い‼︎」
「はいはいさぁ〜〜」
「わかったぁ〜〜」
と、皆んなそれぞれの返事を返し、走って帰った。
「あぁっっ、、、待ち合わせ場所は、いつものとこねぇ〜」
私も走って帰り、食事より、早く自転車で、皆んなとの待ち合わせ場所へ行きたいあまり、お昼は大好物のナポリタンだったが、
食べるのが遅い私は、ナポリタンを横目に「さよなら、ナポリタン」と、心の中でつぶやいて、玄関で靴を履いた瞬間、
後ろで、「どこ行くの?」と、母に捕まりそうになった。いや、もう捕まっている。
ギョッとしたが、ここで捕まっては、もともこもない。
いつも忘れ物をする時の、逆バージョンだ‥‥と、咄嗟に言葉が流暢に出てきた。
「みきちゃんがね、マンガ貸してって言うから、、、あと、学校に忘れ物を取りに行ってくるね‥‥」
はぁぁ〜〜〜〜⁉︎ なんてポンコツ答弁なんだ!と、自分でも嫌になった。
嘘をついたことで、一瞬、落ち込む。
‥‥だが、今日は、行きまっせ!と気合が入っていた。
ワクワクが止まらず、自転車は立ち漕ぎだ。
『こんな自由な私、、、今から向かう未知との遭遇、、、窮屈な日常からの解放、、、なんだそりゃ、、、』
そんなことを思いながら、待ち合わせ場所についた‥‥。
みきちゃんが、もう来ていた。
「早いね!お昼食べた?」と聞かれ、ニヤッと笑って、「食べてない、、、」と言うと、
みきちゃんが、「私も、、、」と言って笑った‥‥。
最初のコメントを投稿しよう!