むらさきの森

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少し音をはずしたチャイムが鳴った‥‥。 今日は、授業が4時間で終わり。 給食もない。 「今日の、そうじ当番は、誰だぁ〜」 と先生が叫んでる。 「お昼食べてから、自転車で待ち合わせね〜〜」 と誰からともなく大声で叫んだ女子‥‥。 「りょうか〜い‼︎」  「はいはいさぁ〜〜」  「わかったぁ〜〜」 と、皆んなそれぞれの返事を返し、走って帰った。 「あぁっっ、、、待ち合わせ場所は、いつものとこねぇ〜」 私も走って帰り、食事より、早く自転車で、皆んなとの待ち合わせ場所へ行きたいあまり、お昼は大好物のナポリタンだったが、 食べるのが遅い私は、ナポリタンを横目に「さよなら、ナポリタン」と、心の中でつぶやいて、玄関で靴を履いた瞬間、 後ろで、「どこ行くの?」と、母に捕まりそうになった。いや、もう捕まっている。 ギョッとしたが、ここで捕まっては、もともこもない。 いつも忘れ物をする時の、逆バージョンだ‥‥と、咄嗟に言葉が流暢に出てきた。 「みきちゃんがね、マンガ貸してって言うから、、、あと、学校に忘れ物を取りに行ってくるね‥‥」 はぁぁ〜〜〜〜⁉︎ なんてポンコツ答弁なんだ!と、自分でも嫌になった。 嘘をついたことで、一瞬、落ち込む。 ‥‥だが、今日は、行きまっせ!と気合が入っていた。 ワクワクが止まらず、自転車は立ち漕ぎだ。 『こんな自由な私、、、今から向かう未知との遭遇、、、窮屈な日常からの解放、、、なんだそりゃ、、、』 そんなことを思いながら、待ち合わせ場所についた‥‥。 みきちゃんが、もう来ていた。 「早いね!お昼食べた?」と聞かれ、ニヤッと笑って、「食べてない、、、」と言うと、 みきちゃんが、「私も、、、」と言って笑った‥‥。
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