2.僕の小春さん

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本日のお仕事、絶賛子守り中。 3歳児かわいい〜♪ 休憩室のアイランドベンチの間を駆け回って遊ぶ男の子。 「きゃあ〜っ♪」 声もかわいいっ。 それだけでキュンとしちゃった。 前髪ぱっつんの耳付きくまさんパーカーでトコトコ走って、ずっとニコニコしながら楽しそうに声を上げて笑ってる。 私だけじゃなくて女子社員みんながメロメロな感じで、ソファに集まって追いかけっこの相手になったり目を細くして眺めてみたり。 私もさっきまで一緒に駆け回ってたのでソファに座って休憩中。 「なんで走るだけであんなに楽しめるん  だろうねぇ」 隣のももちゃんは解析の対象物のように冷静に男の子を観察していた。 マーケターとして参考にしようとしているのか、新婚さんとして子育てに生かそうとしているのか。 私達よりも先に結婚したももちゃんだけれど、後2年は子供はつくらないし出産は1回と決めているそうだ。 「純粋なんだろうね〜。羨ましいよね」 「…………」 「え?何??」 「副社長もある意味純粋だと思うけど、  小春さん、妊娠してないんだよね?」 「してないよ!?何で?太って見える!?」 「違うけど、バストアップしたでしょ?」 ……御名答。 結婚してから2カップサイズがアップした。 たぶん、真守くんのせい? 濃厚な夜の… 「いや、あの、妊活を始めたところで」 「うん、だと思った。それに烈しそう」 何だかぜんぶ露呈しちゃってるような。 私達そんな雰囲気さらけ出してたかな? 「そ、そうね…」 「ふぅ〜っ…」 ももちゃんは熱いと言わんばかりに手で顔をあおいだ。 恥ずかし… 「コハル!」 そこへ小さなくまさんが飛び込んできて私にむぎゅうっと抱きついた。 「おかえり(りゅう)くん!むぎゅむぎゅ〜♪」 「きゃははは♪」 私が抱きかかえてゆらゆら揺するとキャッキャと喜んだ。 それから貰ったジュースをストローでチュウと頬を膨らませて飲む立ち姿に、皆でかわいい癒やしを補給していると… 「小春さん!!」 「え、まもっ、副社長!?」 突然真守くんが現れてびっくり!
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