最終話 未来へ②

1/1
94人が本棚に入れています
本棚に追加
/169ページ

最終話 未来へ②

「もちろん。僕が小さい時に救われたことは事実だからね」  叔母家族からは虐げられていた僕。だけど幼すぎた僕には叔母を頼るしか道はなかった。満足に食事を与えられなかった僕はいつもお腹を空かせていた。そんな時、アクセルが僕にパンを分けてくれたことで命を繋げたのは本当だ。  多分だけど、これは魔法石の幸運の力だったんだと思う。それでもアクセルが僕にしてくれたことは紛れもない事実だから、その時のアクセルには感謝している。だからお礼だと言ったのは紛れもない本心だ。  ……アクセルには『施し』に受け取られた可能性は大きいけどね。  でも今のアクセルにはあのお金は捨てようにも捨てられないはず。だって全ギルドに僕への依頼を出すのに借金してるんだから。  アクセルの目的は不幸な人生を歩むことになった代償を払ってもらう事。だから一応アクセルの願いも叶ったことになる。  昔のちょっとしたことが今になって大きく返って来た。その事に気が付いて、誰かを貶めるんじゃなく誰かを助けられる人になって欲しい。……まぁ高望みかもしれないけど。
/169ページ

最初のコメントを投稿しよう!