十秒探偵ショパン

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十秒探偵ショパン

 不可思議な難事件を解き明かすという天才少年。  そんな神がかり的な謎解きなど年端(としは)のいかない少年に出来るはずがない。誰だって、そう思うだろう。  そう普通の少年ならね。  だがボクの親友のショパンはそんな離れ(ワザ)をやってのけた。なにしろ彼は(たぐ)(まれ)なる天才だからだ。  彼のニックネームは、『ショパン』。  本名は西園寺初範(さいおんじハツノリ)という。初範(ハツノリ)を音読みすると『ショパン』なのでボクがそう名づけた。  なにを隠そう西園寺財閥の御曹司だ。  美少年で天才、しかもセレブ一家(いっか)の御曹司。  女子からモテる要素は充分すぎるが、彼は極度の人見知りだ。  家族と親友のボク以外、滅多に話す事はない。そのボクでさえ、一日に(コト)しか喋らない。いわゆるコミュ障だ。  ボクの名前は南野カイト。  ショパンと同じ横浜の小学校に通っていた。今年の春で小学校六年生になった。  今日は親友のショパンが(たずさ)わった数々の難事件の中のひとつを紹介しよう。
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