10.

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10. そして、交際期間1年が過ぎ婚約し結婚を予定していた。 ある日の休日、典子が髪留めを買いたいとデートと兼ねて横浜のTデパートに訪れた。 「すいません、この髪留め買いたいのですが?」 俺はデパートの店員にその髪留めの会計をお願いした。 下を向いていたその店員が上を向いた… 「え、!」 その店員は秋葉であった。 秋葉は俺の顔を見たが表情を変えること無く不造作に商品である髪留めをレジに待っていった。 しかし、5年前のイキイキした少し小生意気な様子と違い暗い表情であり綺麗であったが正気が見られなかった。 精算後、俺は秋葉の顔をもう一度見ると少し微笑み頭を下げた。 俺は秋葉の顔を見てなんか嬉しくなった? 何故だろう? 「直人、どうしたの?」 「え、何でも無いよ…」 「はい、髪留め…」 「ありがとう」 典子は嬉しそうに微笑み俺は大きく頷いた。 秋葉に久しぶりに会ったがもう二度と会う事はないだろと… 俺は典子と結婚し幸せに暮らしている。 完
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