かぐや姫は諦めない

　昔々、あるところにかぐや姫という姫君がおりました。
　彼女はなんと、おじいさんが切った竹藪の竹の中から生まれてきたのです。
　彼女は光る竹の中に、大層行儀よく座っておられました。掌に乗るくらいの、とても小さくて可愛らしい女の子です。
　竹取りの翁、と呼ばれていたおじいさんは、この子は神様が授けて下さったに違いないと考えて連れて帰りました。そして、おばあさんと大事に大事に彼女を育てることにしたのです。
　かぐや姫を拾って以来、おじいさんが竹を取りにいくと、中から小判がざくざく出てくるようになりました。おじいさんとおばあさんはお金持ちになり、大きな屋敷を立てることができるようになります。
　そして成長したかぐや姫はとても上品に美しく成長し、その噂は遠くの町まで伝わることになるのです。
　そして代わる代わる、様々な男性が彼女に求婚するようになるのですが……。

　実のところ、皆さんはご存知でありません。
　ここまでは、言い伝えられているかぐや姫の物語。しかし、実際のかぐや姫のお話は、もっと違った展開を見せるのでございます。