カイシ

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カイシ

東雲(しののめ) 美南海(みなみ)。  私の大事な従姉妹が死んだ。  死因は、分からない。  頭が良くて、責任感があって、何事にも活動的だった二つ上の大事な従姉妹。  彼女が高校二年生の夏。  路上で発見された。  発見された時から彼女はすでに息をしていなかったという。  暴行された形跡はない。だというのに彼女は彼女自身の大量の血にまみれて倒れていた。  怪死。  不審死。  そういったウワサがたくさん流れた。  葬式中、彼女の同級生が口にしていたのを私は何度も思い出す。 ――……「美南海さんって新聞部の?」 ――……「【学校の七不思議】を調べてたんだよね」 ――……「呪われたとか、言うじゃん」 ――……「【学校の七不思議】を解明すると呪われるっていうアレ?」 ――……「でも、そういうのって高校生がするコト?」  それはからかいではなく、本当に畏怖からきているようだった。
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