27.『飽食の末路』

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27.『飽食の末路』

c9034386-929f-45f7-9f32-7b9f41497391(2023/10/19) 【寸評】  前頁『人形と誤謬』と同じ作業通話中に書いた作品です。『人形』が逆木さんの文体を真似たものでしたが、こちらは自分の文体そのままに書きました。  二連続で別の作品を書くことになり、アイデアが枯渇するなかで頭に浮かんだのは子供の頃に読んだ『お月さまたべちゃった?』という絵本でした。  月光でお腹が輝く可愛いクマに対して、本編では太陽を食べる少女セレナが登場します。その言動から、彼女は自分が起こした行動が太陽を失った地球にどのような結果を招くのかを予想しています。  そして、それがわかっていながらも己の食欲を抑えられませんでした。  セレナという名前には本来「晴々とした」「穏やかな」という意味がありますが、太陽を食べることから日蝕をもたらす月につながり、ギリシャ神話の月の女神セレーネをなぞってつけました。  ちなみに太陽が消えたとき、地球が暗黒に包まれるのは約八分後だそうです。周囲が暗くなる前に雪がちらつくのは実際に起きる現象としては適切ではないかと思いますが、この描写のほうがわかりやすいので採用しました。
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