プロローグ

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プロローグ

 人生においての“初めて”は、  大人になっても色褪せることのない記憶として一生残ると思っていた。  小学三年生の時に経験した初めての引越し、初めての転校、そして初めての恋をした瞬間のときめきは。  高校生になった今も、鮮明に覚えているから。  きっと、これから訪れるであろう、初めてのキスの瞬間もまた。  思い出の一頁に深く刻まれるものだと信じている。  だから、大事な大事な、一生に一度しか経験できないファーストキスは。  自分が自分じゃなくなるくらい夢中になれる大好きな人と。  見つめ合い、心を通わせて、幸福感に包まれながらいたしたい。  それが(まり)の、子供の頃からの憧れであり夢だった。
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